2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

人のためという言葉を批判する話

「自分と同じように愛することは、その相手のために考え抜いて行動することです」 あなたのことが好きだからあえて言うけど、これはやめた方がいいよ。 とか。 お前のためを思って言っているんだ。 とか。 親心とか、親切心とか。 見返りを求めないことの美…

明治神宮はエモくない話

ニュージーランドに住んでいるぼくの友だちが、大学の友だちを一人連れて日本に旅行に来ていた。 夕方に成田空港に着いたものだから、ぼくは荷物が入るように8人乗りの車を借りて、2時間くらいかけて空港に迎えにいった。ぼくのマンションの下にあるゲストル…

男の自撮りはもっと謎という話

見られている、という意識がある。 実生活で会うような、近しくて好きな人たちにぼくの書いた文章を読んでもらっていて、しかも、 読んだよ 面白かったよ とか言ってくれる。 だからぼくは、そう言ってくれた人たちの顔を思い浮かべながら、つい書いてしまう…

人は二人ではわからない話

ぼくはあまり大人数での集まりが好きではない。というと語弊があるかもしれない。 誤解のないように言うと、大人数での集まりが好ましくないのである。嫌いなわけではないし、仲間はずれは嫌だからみんな誘うけれど、より、とうといのは少人数の集まり、特に…

ようすけはヒトニンゲンというはなし

ワシントン出身の彼とは、いつも飲みながらまじめな話をする。2つ上の兄と同い年の彼は、常に人生の最高地点を生き続けることに尽力していて、尊敬できる先輩で、親友で、飲み友達。“わたしの友達はいいひとばかりで、わたしは本当に幸せなんだ。”もちろん…

結婚してくれてありがとうという話

高校の友だち二人、たいざん(仮名)とひとみ(仮名)が、結婚をした。 彼らとは高校のころから遊んでいたけれど、卒業してからの方が一緒にいることが多くなったように感じる。 二人が付き合うようになると、ぼくはより彼らと会うことが増えた。 なおや(仮…

彼女と愛とスカート

「好きになった」 薫子の目はとても真剣で、冗談を口にしているようではなかった。すごい、と素直に思う。彼女はいつだって、こうなることができるのだから。 「何を?」 この一言を言うためだけに、私はここに来たのだと、深く実感した。私がこぼすことので…

プラネタリウムと東京の夜空の話

昨日、やまは(仮名)とプラネタリウムにいった。 池袋の、コニカミノルタプラネタリウム、満天というやつで、めちゃめちゃきれいだった。 「TOKYO MIDNIGHT GROOVE」のプログラムは、東京の夜景や星空をテーマにしていて、ずっと東京で生まれ育った身として…

先輩のキスの話

あれは大学一年生の、ちょっと肌寒くなってきた今くらいの時期のことだ。 ぼくはバスケのサークルに入っていて、高田馬場で練習したあと、 わっしょいという居酒屋でみんなで飲むのが決まったパターンだった。その日も例に漏れず、15人くらいで飲んでいたの…

悪いクセは全部なおやという話

何をもってして悪友というのかはわからないけれど、あえて使わせてもらうと、なおや(仮名)は一番の悪友だ。 交際して身のためにならない友だちのことを悪友と言うらしかった。 たしかに、なおやとぼくは、高校1年生に出会ったころから、お互いを低め合う仲…

言葉に意味はないという話

結局ぼくらは、自身の気持ちをそのまま伝えることなんてできないんだ。 言葉って、とても好き。すごくすごく、大事なものだと思う。 けれど、やっぱりぼくは、言葉の飛び交うSNSというものがあまり好きではない。 文字だけ、という環境に、あまり意味を感じ…

電話の営業の話

インターンが本格的に始まって、ぼくは電話で企業に営業をしている。 朝から9時間ぐらい、ずっとしている。 ぼくはコールセンターでの勤務経験があったし、そこでも無料だと思って電話してきたお客さんに対して、定期購読させる、というアップセル(より高い…

山種美術館にいった話

以前一緒に働いていた山本さん(仮名)が日本酒好きで、一回二人で軽く飲んだことがあった。 山本さんは知識が豊富で、知性を感じられて、楚々としていてきれいだった。 もっとお話をしてみたいなあと思った。 あおた(仮名)と飲んでいたときに、山本さんの…

好きと合うは違う話

合うってそもそも、なんなんだ。 一緒だなあとか、一緒にいられるなあとか、共感できること。それが「合う」なんだと思う。 対して好きは、すてきだなあ、いいなあと思うこと。 好きだなあと思うことって、結構あって、考えや行動、(例をあげると、やまはの…

好きな人たちの話

全員仮名なので、ここでは(仮名)とは表記しない。 ゼミのつっきーは結構黒く焼けていて、スポーツマンっぽくて、声が低いから、一見怖そうに見える。 ぼくのゼミでは英語を話せる外国人との会話を録音しなければいけなかったのだけれど、成り行きでつっき…

悪口ばかり言うじぶんの話

悪口って、とても好きじゃない。 人のこと、とやかく言う必要がどこにあるのかわからないし、ぐちぐち言ってるくらいなら本人にきちんと伝えるべきだ。 伝えられないなら、じぶんの心にでもしまっておけ。 悪口にとても近いもの、同じものを、最近ぼくは言っ…

ビビらせたい願望の話

昔からぼくは手品が大好きだった。 驚かされること。どきどきすることが好きで、いろんな人をビビらせて、あいつはやばいやつだ、と言われたがっている。 恐怖とか、喜びとか、尊敬とかでもなく、純粋な驚き。好きや嫌いよりも先に、ただ驚いてほしい。 だか…

あおたと行った教会レポート

教会レポート 6月16日 日本ルーテル教団六本木ルーテル教会 牧師:藤木智広 イザヤ書6章1〜8節 ローマの信徒への手紙8章1〜13節 ヨハネによる福音書16章12〜15 説教題聞いたことを語る 感想・考察 駅から六本木ヒルズを通ってたどり着くこの教会は、思ったよ…

毎日続けていることの話

毎日続けるのって、結構大変で、筋トレとか、ランニングとか、勉強とか、とにかく毎日やろうと思っていても、できないことばかりである。 その中でもこれだけは毎日やりたいというのが、ぼくの中では早起きだ。本当に寝起きがつらくて、パッと起きられること…

イケメンは誠実ではいられない話

ぼくには四つ上の兄と二つ上の姉がいる。 親戚の人の家に行ったとき、まず長男である兄が迎え入れられて、 「あ、お兄ちゃん、かっこいいねえ!入って入って」 と言われた。 姉が次に、 「あぁ、お姉ちゃん!かわいいねえ〜〜」 と言われる。 最後にぼくが入…

甥が銭ゲバという話

4つ上の兄が結婚して岡山にいるのだけれど、かわいすぎるおいっ子を見に、ぼくは母親と岡山旅行に来ていた。去年の7月に生まれたから、子どもは1歳4ヶ月で、髪の毛が生えて、顔もしゅっとして、ようやく人間の形になってきている。 まだ「あー」とか「うー」…

やまはの感情は、じわるという話

やまは(仮名)と出会ったのは、大学1年生のときの、英語の授業の教室だったと思う。 明るくて元気なイメージがあって、すてきなはしゃぎ方をするのを見ているのがぼくは好きだった。 そんなに仲が良いというわけではなくて、大学ですれ違ったときにお互い挨…

「山賊の娘ローニャ」の春のさけびにみる命について

山賊の娘ローニャの春のさけびにみる命について 文学部英米文学科3年武内洋介 作品を一つ選び、その魅力や謎の答えを、引用を踏まえて説得力を持って明らかにする。とりわけ作品の特徴が全体の構造だけでなく、キャラクターや描写など細部にもあることにも注…

縛りプレイが好きという話

小学生のころ、白線の上だけを歩いて家まで帰る、とか、そういったじぶんルールみたいなのを作るのが好きだった。 別に破ったからといって罰ゲームがあるわけでもないし、じぶんの自己満足でしかないのだけれど、ついついゲームで言う、縛りプレイみたいなの…

1日に人と会う予定を6つもこなした話

おかしな日があってもよいけれど、この日ほどおかしい日はなかっただろう。 ぼくはお酒が好きだと思われがちなのだけれど、別にお酒が飲みたいわけではなくて、人と会いたいという気持ちが強くある。だから家でもお酒は飲まないし、お酒を飲まない人と一緒に…

個人的に取材した話

ぼくはイキるのが得意なのだけれど、バイト先のみならず、いろんなところでイキっていて、インターン先でも例に漏れずイキっていた。 インターンでは二人一組になって企業に取材をしにいく、というのをやっていて、ぼくにもペアがいた。4、5組くらいのペアが…

僕と愛とスカート

アパートの階段の一番下、制服姿のまま僕は腰をおろす。夕焼けの空は夜色と混じり合い、不思議な感じがした。ローファーが地面を蹴る、硬い音。同じ中学の制服をきた泉ちゃんは僕を一瞥して、階段をあがりはじめる。 「ふられた」 呟いた僕の背中に泉ちゃん…

面接の心構えの話

ニューヨークに留学をしてるこうたろう(仮名)から急に電話がかかってきて、「自己PRってどうやって書けばいいの?」ときかれた。 ろくに就活をしなかったぼくによくそんなことをきくなあと思いながら、考えた。 こうたろうの良いところってどこだろう? う…

裸の人が好きな話

温泉とか銭湯とかが好きなのだけれども、それは「ほぅ」という感じが好きなのである。 ぼくは小説とか物語が好き。 いろんな理由はあるけれど、その一つは、読後に「ほぅ」と息を吐いて、ぼぅっとさせてくれるから。 あったかいお風呂にも同じような効果があ…

本音で話す話

たいらさん(仮名)に「武内さん、本音で話したことある?」ときかれて、ぼくはどきっとした。 じぶんの薄っぺらさを、見透かされた気がした。 嘘っぽいとか、テキトーとか、「スキ」も「楽しい」も真実に思えないとか、よく言われる。 きっと、言葉を尽くし…