個人的に取材した話

ぼくはイキるのが得意なのだけれど、バイト先のみならず、いろんなところでイキっていて、インターン先でも例に漏れずイキっていた。

インターンでは二人一組になって企業に取材をしにいく、というのをやっていて、ぼくにもペアがいた。4、5組くらいのペアがあって、それぞれが違う企業とかに取材をするのだけれど、ぼくはほとんどの取材に自ら同行を志願し、関係ないのにいろんなところにいった。

 

ゆるくみんなで毎日更新していた公式のツイッターアカウントも、誰もつぶやかなくなったので、もうぼくのにしようと思って勝手に毎日つぶやいている。

ハタラクとはなんなのか?を考えるプロジェクトだったので、個人的な興味でなんとか続けていた。インターンのプロジェクト自体が一つの区切りを迎えて、もう活動はなくなっていたのにも関わらず、昨日ぼくは勝手に取材までしてしまっている。

 

使えるかどうかもわからない、そもそもプロジェクトは実質終わっていて、取材をする意味なんて何もないのかもしれないけれど、自身の純粋な興味と、インターン先の会社の人たちを少しでもビビらせたい(時給も出なくなったのに取材をして記事まで書こうとする学生なんて中々いないだろう)というイキりだけを原動力にしてぼくは動いている。

 

もちろん、無許可で会社の名前を借りて企業にアポをとるのはグレー寄りのアウトなので、企業ではなく、個人に取材をするよう気をつけてはいるし、なおかつ、事情を説明した上で取材を了承してもらえている。

社会人として働きながら、編色かのんという劇団の立ち上げをしたたかゆきさんに、ぼくはとても興味を持った。

 

なぜプロとして演劇の道を選ばなかったのか。

 

彼にとって、情熱を捧げる趣味と仕事はどういう意味を持つのか。そういったことをきければ、ハタラクを浮き彫りにする手助けになるのではないかと思った。

たかゆきさんへの取材をして、さらに劇団の練習も見学させてもらって、本当に楽しかった。みな、快く迎え入れてくれて、一緒にお昼ご飯も食べて、自身が一劇団員なのではと錯覚してしまうほど、アットホームで優しい場所だった。

なるほど、たかゆきさんがつくりたかったのは、家族みたいな、そういった場所なのかもしれないなあと、取材をして、実際に一緒に過ごして、強く思った。

言葉だけでは伝わらないこと。

言葉があったからこそ感じられること。

お話をきいて、一緒に過ごして、たかゆきさんの人生のほんの少しを覗き見して、とても幸せだなあと思った。

 

たかゆきさん、取材を快く受け入れてくれて、ありがとうございました。