電話の営業の話

インターンが本格的に始まって、ぼくは電話で企業に営業をしている。

朝から9時間ぐらい、ずっとしている。

ぼくはコールセンターでの勤務経験があったし、そこでも無料だと思って電話してきたお客さんに対して、定期購読させる、というアップセル(より高いものを買ってもらうこと)のためのトークをしていた(しかももちろん、ぼくは優秀な成績だった)ので、営業は楽チンだと思っていた。

しかも、営業の内容も、結構魅力的なもので、これはいけるだろう、と素人ながらに思っていたからなおさら。

 

だが、そうは問屋がおろさなかった。

断られに断られた。そもそも担当の方まで電話を回してもらえず、ろくに喋りもできなかった。ちょっと今担当のものがいないので、と門前ばらいをくらうことも多かった。

 

何がいけなかったのだろうか?

スクリプトはあったけれど、ただ読むのではなく、コールセンター勤務時代に培ったスキルで、抑揚や声のトーン、相槌など、それなりにできているつもりだった。

 

最初は、あまりにも説明を簡単にしすぎたのかと思った。こういうことをしていて、ぜひ御社にも協力していただけないかなと、思いまして、みたいな。

だから今度は、もっとじぶんたちの取り組み、何をしているのかを詳しく説明しようと思って、心がけた。こういう取り組みをこれだけしてて、この人数の集客を見込んでいて、こういうコンセプトでやってます、みたいに。

 

ただ、あまり反応はよろしくなかった。

おかしいなあ、うちの取り組みがいかにすばらしいかをこれだけ伝えているのに、なぜ興味を持ってくれないのだろう?

 

きっかけがなんなのかは思い出せない。

けれど今思えば、当たり前のことを忘れていたなあとわかる。

 

なんでその企業と一緒にやりたいのか、そこを伝えていなかった。

いや、言われてみれば当たり前なのだけれど。

どこにでも声かけてるのだと思われたら、そりゃあ話をきく気すら失う。

うちのどこがいいの?

なんで声かけたの?

どういうことがしたいの?

 

この質問を引き出させて、答えてあげないと、

「話だけでもきいてください!」

というところまで持っていくことすらできない。

 

あなたじゃなければいけないんです。

これを言えるようになるくらい、その企業のことを考えて、一緒にやっていくビジョンを想像して、声をかける。

明日からは、もっとがんばろう。

すごく楽しみだ。

 

営業って、とっても奥深いなあと思った。

相手の貴重な時間をいただいているのだから、一緒により価値のあるものを創造していきたい。

と、意識高いことを言っているけれど、結局は社内の人に、あいつすげえ、と思われたいだけなのかもしれない。

人にすげえ、やべえ、って言われたくて、たまらない。