好きな人に会いたい

会えることって当たり前じゃないんだよな。

 

そんなのずっと前から知っているはずだったのに、ついつい忘れそうになる。

 

今の世の中の状況うんぬんではなく、たくさんの理由で、または一つのシンプルな理由で、じぶんが会いたいと思う人に会えないことがある。

または、「会いたい」けど「会いたくない」場合もあるのかもしれない。

 

きっとがんばれば、力を尽くせば、「会う」ことはできるけど、でもじゃあ会ってどうするのかときかれれば、言葉に詰まってしまう。

 

だから願いを叶えるのはいつだって、悪魔なんだ。

願いは願いのままだから、成り立つこともある。

漠然と、具体性のないままの「会いたい」という気持ちは、決して言葉にしないように心の中にしまわなければ。

 

こういうことって、会えなくなってようやく気づくんだ。

気づくのはいつだって遅すぎて、だからこそ同じ失敗をしないように、今会いたいと思って、そしてきちんと会える人のことを、その感情を、丁寧に想い続けなければならない。

 

朝、目覚めたとき、とても幸せな夢をみていたことに気づいて、布団の中でしばらくぼぅっとする。

何をしていたのか、

どんな夢だったのかも思い出せなくて、

唯一の糸口すらも忘れてしまって。

あたたかな感情だけが頬にくっついたまま、

口角をあげさせる。

 

会いたい人に会う。

その幸せを夢見て、ぼくは今日も。