男はみんなくたばればいい
こっちがいくらサインを出して、一線をひいて、無理なのだと言外に伝えていたとしても、知ったこっちゃない。
勝手に好きになって、勝手に告白して、勝手に傷ついて、勝手に会わなくなる。
こちらはただ友だちでいたいだけなのに。
一人の人として見ているだけなのに。
男って、バカで、身勝手で、何も考えていなくて、どうしようもなくおにぎり。
傷つくのはいつだってこっちだ。
悩むのはいつだって、こっち。
男なんてくたばればいいのになあって思う。
でもぼくは、彼女を責めてしまう。
男がバカなのは知っていたでしょ、だからあなたは被害者じゃないんだよ。って。
今まで何回同じことしてんの、学びなよ。って。
けれどそれはひどい話だった。
相手を傷つけないように、考えて考えて、苦しんで悩みぬいたその夜は、ぜんぶ彼女のものだ。
ただ何もしないで、勝手にしんどくなってるわけではなくて、がんばってがんばって、その結果こうなってしまっただけ。
ぼくは、男と友だちになるのをやめればいいと言う。そもそも二人という関係性で、異性と仲良くなろうとしていることが間違いだと。
美しいのだから。
じゃあ、あなたも男だからだめだね、と言われる。
ぼくは特別だからいいんだ、と言う。
女の子なの?
いや、ぼくは男だ。そしてバカだ。
だめじゃん。
はるか遠く、心は離れたところにある。
それでもいいかなあ、と今は思う。
まだあわてる時間ではないさ、とかっこつけてみるけれど、たぶんなんもかっこよくない。