マフラーのふわ髪が好きな話

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出典:https://www.1101.com/juku/hiroba/1st/fav-138/01.html
 

冬になると思い出す話って何かないかなあと思っていたのだけれど、特に思い浮かばなくて、代わりにじぶんのフェチについて思い出した。

 

 ぼくは髪が好きで、とくに黒髪が好きである。

女性の魅力って、髪によるものが大きいと個人的には思っていて、天使の輪(グーグル曰く、キューティクルが整っていることで、光の反射によって髪に綺麗な輪っかができる状態)があるような、ツヤツヤな髪の毛は、きれいで、とてもすてきだなあと思う。

 

基本的にぼくは人の外見的な変化に気づけない。

なんか今日この人調子悪そうだなあと漠然と感じるときも、なぜかはわからなくて、しばらくしてその子が、

「最近ストパー(ストレートパーマ)かけたから髪傷んでるんだよね」

とか言って、あぁ、なるほど、だからかあ、となったりする。

 

日本人って、黒髪とか、暗い色が似合うのになあと個人的に思っていて、だから、しばらく会わないうちに明るい茶髪とかにしている人をみると、勝手に悲しくなることがある。

周りに髪を染めたいと言う人が多くて、ぼくは残念でならなくて、ただ、染めたくなる理由もわかる気がした。

 

多くの人が、じぶんを肯定しきれていないような気がしている。

よりよいじぶんとか、変わるじぶんを夢見ていて、その中で十数年間同じだった髪の色というのを、変えてみるところから始めたくなるのかもしれない。

そういう意味でも、ぼく個人の好みで言うと、髪の毛を染めるのは見ていて悲しい。

 

ただ、染髪という行為には、思った以上に面白さがあるのは否めなかった。

ぼくは覆面調査(客として来店し、スタッフやお店を評価する仕事)で美容室に行ったことがあって、そこでは条件の一つとして、髪を染めなければいけなかった。

それがぼくの、人生初めての染髪になる。

 

なんか不思議な感覚で、新鮮で、浮わついて、内面は何も変わっていないはずなのに、どこか心まで少し変わってしまったかのような気持ちをおぼえた。

「黒髪の乙女が好みだから、自身も黒髪でいる」

という、謎の理念を掲げていたじぶんが、黒髪ではなくなったことに、ちょっとの悲しみと、安堵をおぼえた。

安心したのは、その理念が謎すぎて、言っているじぶんでも意味がわからないことを、たぶん最初から知っていたからだ。

 

ぼくは髪フェチで、いつもさわりたくなる。

とくにマフラーの上に、ちょっと長めの髪が緩いカーブを描いてのっているとき、ふわ髪はいいなあとか思って、魅入ってしまう。

 

ふわ髪が好きすぎて、大学一年生の冬に、同じ部活の黒髪の先輩に、ラインで、

「マフラーの上にのってる髪って、めちゃよいですよね!』

って送って、

「え、何、わたし見られてる?」

とか言われて、ビビられたことがある。

 

急にそんなラインきたら意味わからないし、正直めちゃめちゃじぶんが怖くて、今になって、改めて申し訳ないなあと思った。