この年になってすごい怒られた話

ぼくは新しいものが結構好きで、電車なんて人並みな手段で移動するんじゃなくて、もっといい方法はないかなといつも考えていた。

セグウェイとかめちゃめちゃかっこいいと思ったけど、充電が切れたら重くてつらすぎるのと、ちょっとした段差でつまずくのとで、バリアフリーではない現代では少し難しい。

 

そんな中、たどり着いたのがスケートボード、スケボーだった。

いわゆる一般的なスケートボードに、タイヤを太くて安定したやつに替えて、移動に特化したスケボーにした。

トリックとかそういうのはどうでもよくて、けどスケボーでスイスイ移動してたら面白いんじゃないかなあとか思って、大学にもそれで行っていた。

 

車通りの多いとこでは危ないから、靴に赤色のバックライトをつけたし、常に車に気をつけてはいたけれど、実際じぶんが車運転してたらスケボーなんて迷惑以外の何ものでもないだろう。

 

案の定、怒られた。20歳を超えると、さすがに頭ごなしに誰かに怒られることって、全然なくって、バイト先の料理長にばかみたいにドヤされるの以外は、今までなかった。料理長はいつも怒ってたし、もうさすがに慣れちゃって、どなられても「すいませーん」って言ってニヤけるくらいのことはできたので、正直赤の他人にスケボーに乗っていて怒られたのにはびっくりした。

 

お昼に川沿いの車通りの少ない道を、すーっとスケボーで走っていたのだけれど、「わあああ」みたいな声がきこえて、何事だろうときょろきょろしたけど、何事もなかったのでそのまま走っていたら、「おりなさい!!」と後ろから急にどなられて、え、何??って思ったら原付に乗った警察のおっちゃんがすごいこわい顔して近くまできていた。

 

「おりなさいって言ってるでしょうが!」いや、だからおりたでしょうが。

「え、すいません」

「そうやって人のことを無視して! 公道でスケートボードは禁止なんだぞ!!」ぷんぷん

「あ、はい、すみません」

ここでぼくはようやく気づいて、「わあああ」みたいな声はぼくに向かって、おりなさい、と言っていたおっちゃんの声で、きょろきょろしたあげくおりることもなく走りさったぼくに、おっちゃんは怒っているらしかった。

その後もスケボーパークというのが近くにあって(近くといっても歩いて1時間半くらいのとこ)、パークでだったらスケボーはし放題だから、そこでやりなさい、と言われた。

ぼくのスケボーのタイヤではいわゆるスケボーっぽいやつは重くて全然できないし、そもそも移動手段として使っているので意味がなくなってしまうのだけれど、おっちゃんはスケボーがいかに危ないか、君も話せば素直にきいてくれるのだから人のことは無視しちゃダメだとか、徐々に怒りのトーンをさげながらしゃべっていった。

 

ぼくはとてもとても反省した。たしかに人の迷惑を考えていなかったし、警察のおっちゃんが言うことももっともだと思う。

「わかりました、ありがとうございます。これからはスケボーパークでやります」

「うんうん、それがいい。じゃあね」

といって原付に乗って帰っていく、おっちゃんの背中が見えなくなるのを待つ。

すごい怒られちゃったし、家に戻ろうとぼくは思って、スケボーに乗って帰った。

 

新しい移動手段はないかなあと思っていたら、ペニーを見つけた。

ペニーを最近買って、ぼくはそれで移動している。もう怒られるのは、こりごりだ。

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