バイトでイキりつくす話

ぼくはたまにいる、社員よりも社員っぽい、イキりバイターとして界隈では名を馳せている。

飲食のお店で店長が代わったばかりで、まだ新しいやり方にぼくらが慣れていないのだけれど、そんなとき、店長がグループラインで長文をぼん!と投げてきた。

「自己都合なことは、提案自体許しません。勘違いしないように」

「徹底よろしくお願いいたします」

とか、ちょっと強めな言葉を使う印象がぼくにはあった。

その長文も、言葉の表面だけをとれば今までのぼくたちのやり方を否定しかねないもので、これはアルバイトの中でも不満が出てしまうのでは、と危惧をして、というか真っ先に不満に思ったのはぼくで、だから、グループラインに長文を載せることにした。

文章を書くとき、ぼくが気をつけたのは、店長を否定しないこと。

ぼくの今までの働き方、他のスタッフにもしてほしい働き方を続けられるように、店長に、そういうことです!と言わせてしまうような長文にしなければならなかった。

 

集団の中で、何か方針を決めるとき、対立構造に見えることがある。こちらの意見とあちらの意見がぶつかって、どっちが正しいのか?と戦うこともあるだろう。

けどぼくは、基本的にどっちも正しいと思っている。

だってその集団の目標(今回の場合は、突き詰めればお店の利益をあげる)が一緒なのだから、構造は対立ではなく同じ目標に進む仲間同士であるはずだ。結局店長はお店をよくするために、ぼくらに何をしてほしいのか? それを考えたら、難しいことはない気がした。

成功の定義は曖昧だけれど、ここでは店長もほかのスタッフもみんなが不満を解消することを成功とするのならば、ぼくは勝手に、この長文は成功したと思っている。店長以外の反応、とくに新人の子たちの反応はまだみてないので、このお店長文多すぎてみんなガチすぎて怖い、となるのか、面白そうなお店だなあがんばろ、となるのか、楽しみだ。ひかれたら悲しい。

 

 

店長の話について、ぼくから補足というか、少し意見を言わせてもらうと、店舗ルールを守る、こちらは当然ですね。ただ、ここで間違えてはいけないのは、お客様に合った卓のメイクをする🙌です。例えば、お客様の卓に料理が一つもなくて、1時間もずっと話している、とかがありますよね。その場合、スタッフ側から締めやデザートのおすすめをする、これいかがですか?と提案をしてあげることもとても大切です。お客様も話に夢中になっていて、あ、お茶漬け頼むの忘れてた、とか結構あります。とにかくここで店長さんが言いたいのは、食事ラストオーダーを22時半きっかしにとらなければいけない、とかそういうことではなく、お客様の要望に対して「できません」と言わないことだと思います。また、面倒だし早く帰りたいから22時に食事ラストオーダーをきく、これもダメです。これが自己都合スタンスの仕事ですね。もうお客様がデザートを頼みたがってる、お連れ様が帰りたがっている、そういった空気感を読み取って、こちらからお料理やお飲み物の提案をお客様の邪魔にならないようにしてあげることを心がけてほしいです。

ルールだからできません、ルールだけを守ります。そういうことではないです。お客様に対して「できません」を言わない。自分では判断できないことは社員やベテランスタッフに相談する。心がけてみてください🙌


また、無料で商品をサービスすることもダメです🙅‍♂️

これも勘違いしてほしくないのが、そこに文脈(ストーリー)がないからダメなんです。ミスをしたから、だから無料で出す。ではなく、お客様がどうしても食べたいと言っていた料理がヤマ(品切れ)だけど、0.5オーダー分はある、じゃあこれをサービスで出そう、とか。コース料理で一人のお客様がまったく手をつけていない料理があって、実は魚が苦手と知って、別のものをサービスで出す、とか。

お客様に喜んでもらうことは、無料で商品をサービスすることではありません。きちんとお客様に合わせる姿勢、そのお客様が心の底で求めていることはなんだろう?と考え、じゃあ自分がお客様を満足させるためにはどうすればいいのだろうか、「また来るね」をもらうにはどうすればいいかを考えることだとぼくは思います。

あ、それと、お客様にどうしてもこのお料理を出したい!とかがあるのなら、社員やベテランスタッフに相談をするのも忘れないでください!こういう理由でこのお料理を出したいんです、って言ってくれれば、絶対怒るようなことはないので安心してください。むしろ嬉しいです。

お客様に合わせる姿勢というのは、ただお客様の要望を全部きく、ということでもないです。お茶ください、という言葉一つとっても、なぜお茶がほしいのか、寒いのかな?帰りたいのかな?など、考えられることはあります。

実際はお客様も自身の欲しいものをわかっていないこともあるので、何か要望を言われたら、言葉通りに受け取るのではなく、「じゃあこのお客様は本当は何がほしいのだろう?」と考えてみてください。

新人さんには長文たくさんでびっくりしてるかもしれませんが、一緒にがんばっていきましょう✊