一番おすすめするバイトの話

現在ぼくは、表参道にある飲食のお店でアルバイトをしている。客単価5、6000円の京料理のお店で、和食にしては安いから、カジュアルな利用も少なくない。けれど学生が行くような安い居酒屋とも違う。

今まで10種類くらいのアルバイトをしてきたけれど、ぼくが一番おすすめするのはこういうお店だ。安すぎない、高すぎない、それなりにちゃんとしている飲食のお店。ここで2年半ほど働いてきたけれど、学んだことはとても多い。

 

そもそも、人はなぜ働くのか。なんでアルバイトをするのか。それを考えなければならない。遊ぶためのお金がほしいから、社会経験として、その業界に興味があったから。

理由はいろいろあるだろうが、ぼくは単純にアルバイトをしなければならなかった。高校一年生の頃からそうで、だからぼくは、なぜ働くのかを考えるのではなく、どう働いたら面白いのかなあと考えていた。

せっかく生きるんだったら、面白く生きたいなあと常に考えていたから、ぼくにとっては働くも面白くなければいけなかった。

生きるとは、イキることではないかと、最近は思う。イキるとは、全力であること。

手を抜いたり、ゆるくあることは決してダメではないし、すごくラクだと思う。けれど、面白くはないのではないだろうか。

だから、なぜ働くのかではなく、どう働きたいかを考えたとき、高級感のあるレストランが一番イキることができるという点で、大変おすすめなのである。

 

まず、よいサービス、対応というのはどういうものなのかを学べる。のちにじぶんが客として行くことになったとき、例えば「誕生日利用です」「記念日のお祝いです」とかを電話やwebのコメント欄で伝えておくことで、スタッフ側の対応もちょっと変わってくることがわかる。そしていい客がどういう客なのかを、肌で感じることができる。スタッフだって人間だ。悪いお客さんに悪い対応をするわけでは決してない(そんなスタッフは3流である)が、いいお客さんにいい対応をしてしまうのは、仕方のないことだろう。

もちろん、本当に質の高いサービスを提供する料理屋とはまた違ってくるかもしれないが、高級感のあるお店はある程度の裁量を持たせてくれて、じぶん自身でよいサービスとは?と考えながらアルバイトが働ける環境だと思う。100席ないくらいの規模感のお店ならなおよい。あまり大きすぎるとじぶんの仕事が一つに限定されて、社会の歯車感を感じることになるが、スタッフ数がそれなりにいる営業は、全体を把握する能力、大きな流れでじぶんに求められているものを考えさせてくれるため、大変イキりやすい。

 

長々と述べたが、どんな仕事でも学べることは必ずあるので、時間があるならたくさんアルバイトをした方がよい。ただ、長く続けていくことで学べることも次元一つ変わってくる(新人教育など)ので、ぜひ辞めずに続けてほしい。

バイトの子が辞めたのをじぶんの責任に感じて、ばかみたいに悩みまくるのもまた、イキるということなのかもしれない。苦しくて虚しくて、じぶん何やってんのかなあって思ってぐちゃぐちゃになるけれど、その責任はないがしろにしたくない。

完璧や理想とはほど遠いじぶん。だから、変わろうと思える。変わることができる。

そこにいきることの、面白さがあるのかもしれない。