けいのさんと会社の人と飲んだ話

夕方くらいに突然ラインがきて、

たけぴ、明日お昼からヒマ?

と言われたぼくは、あ、これは飲みの誘いに違いない、と思った。

あいてます

とすぐに返信すると、

 

すき

ときて、

わかる〜と思いながらぼくは、14時から飲むなんて非常識ですよ・・・とけいのさん(仮名)を諌めるキャラを演じた。

 

どうして14時からなのかをきくと、次の日が仕事だから、早めに集合して早めに解散するのだと教えてくれて、めちゃめちゃ賢いなこの人と感心した。

3年前にぼくも考えついた天才的なそのアイディアは、だがしかし、早めに解散できた試しはなかった。

 

誰を呼ぶ? という話になって、古今東西(※どの年齢もどのコミュニティも、の意)の酒好きを集めようとなった。

けいのさんは会社の先輩と同期を一人ずつ呼んで、ぼくはほっちゃん(仮名)を呼んだ。

それ以外に思い当たる人はぼくにはいない。

ぼくはもちろんけいのさんの会社の人なんて知らなかったし、けいのさんもほっちゃんを知らなかった。あおた(仮名)もきて、より混沌さは増した。

 

ぼくらはワインを浴びがちなのだけれど、その日もビールや日本酒などを飲みながら、ワインのボトルをぽんぽんあけた。何を話したかは覚えてないけれど、とても楽しかった。

 

けいのさんの会社の同期のみわさん(仮名)はいじられキャラで、キレのあるツッコミをしながら途方もなくいじられる人だった。

先輩のもりもとさん(仮名)はヘビースモーカーのめちゃドライな人なのだけれど、話しのテンポというか、言葉の使い方がうまくて、いいお兄さんみたいな感じだった。二人とも面白くて、また飲みたいなあと思う。

 

それにしてもけいのさんはすごい。このカオスな飲み会を企画し、人を呼び、楽しむなんて、まともな頭の人間にはできない。彼女は飲み会中も会話を頭ではなくハートで考え、ちゃんとみんなと話をして、どんどん盛り上がっていってしまう。だからそんな彼女に惹かれて、ぼくらは会いに行ってしまうのだろう。

 

けいのさんは、自己肯定感が高い。イイ女になるために努力を惜しまないし、常に新しいことに挑戦をし続けている。

恐れを知らず、はっきりとしていて、とてもカッコいい。

その反対に酒癖は悪いし、お金にルーズだったり、時間にルーズだったりするけれど。

 

補って余りある人間としての魅力があると思う。

 

「けいのさんはアゲハ蝶っていう話」

を書いてと彼女に言われた。

けいのさんいわく、

「まだ私は青虫だけど、これからアゲハ蝶になるの」

ということらしい。

それは、すごく素敵だ。きっと彼女は、アゲハ蝶になるだろう。

そのときにはまた、けいのさんがアゲハ蝶っていう話を書けたらいいなとぼくは思った。