お前はめんどくさい人間だぞ
めんどくさくない人間になりたい。
人にうざがられたり、嫌がられたりしないような、快活で、カラッとした、一緒にいて気持ちのいい人間になりたい。
でもそれって、バカな人だ。
バカをバカにしてるわけでもないし、そんな人にだって悩みはもちろんあるのだろうけれど、どこかで割り切って「細けえことはいいんだよ!」と言ってしまえるのは、やっぱりバカなのだと思う。
バカな人って、なかなかいない。
多くの人が何らかしらを考えて、じぶんだけの計算式をもとに行動し、発言する。
だから一見バカだなあと思える人も、”そう”見えることが良い、得だと思うから、バカのフリをする。
バカを見つけた時、ぼくらがしなければならないのは、「あいつはバカだなあ」と思うのではなく、あいつの=バカ はどんな計算式によって求められたものなのだろうかと考えること。
ぼくはバカではない。
そして=バカ に至る計算式も持ち合わせてはいない。
中途半端に賢く、インテリぶっているものだから、今さら、カラッとしたバカを演じることもたぶん難しい。
考え込んでしまう癖があって、どうしてもうじうじし続けてしまって、「何でだろう?」を止められなくて。
人の言葉についていちいち考えて、じぶんの言葉について悩み続ける。
じぶんがめんどくさい人間であることは重々承知しているつもりだった。
ただ、やまは(仮名)もめちゃめちゃめんどくさい人間なのだと思う。
けいのさん(仮名)は人をバカにする人間だし、こうたろう(仮名)は意外と細かい人間。
ぼくはじぶんを棚に上げて人の性質みたいなのを勝手に分析した気になるのが得意なのだけれど、三度会ったことのある人なら書こうと思えば1000字は余裕でその人に関して書ける。
しかもそれとなくポジティブに変換するのもお茶の子さいさいで、
人との関わりについて深く考え続けられる人、
場をポジティブに変えられる人、
言うだけ言うくせに本当はなんでも受け入れてくれる人、
とか。
そして基本的に、ぼくはプラスの言葉ばかりを使う。
ケンカとか言い争いになると、急にマイナスの言葉を使う。
プラスの言葉を使いたいのだけれど、マイナスを感じていないわけではないから、単純なくらいすぐムカついて、イライラしてしまう。
この世にはムカつくことがたくさんある。
人のムカつく行動がある。
けれど、どうしようもなくぼくは人が好きだ。
=人好き の計算式は一体どんなものなのだろうか。
ぼくは何で、人が好きだと言い張っているのだろう。
やまはってめんどくさい。
絶対考え過ぎなところがあると思うし、それで怒ってるし、言わないし、言うし、余計なこと言うなって言う割にはじぶんも言ってるじゃんって思うことあるし、今も一方的に書かれて、読んでてちょっとイラッとしてるだろうし。
ぼくはというと、もっとめんどくさい。
しつこいし、人の意見を受け入れているようには見えないし、一方的に喋って人の話を結局きいていないし、すぐすねるし、たぶんぼくはじぶんが悪いだなんて一つも思っていない。
ただ、ぼくはこうして言葉にしている時、嘘をついたことは一度もない。
正しく言えば、嘘をついているつもりはない。
だから否定されれば、戦いたくはなる。
じぶんが正しいのだというベースで、相手の意見を打ち負かしたくなる。
めちゃめちゃめんどくさい人間である。
変わりたいって思ってないわけじゃないけれど、こんなめんどくさいじぶんも、大嫌いで大好き。
うざくて、うじうじと悩み続けて、きっと何も考えなくなることなんてないような、そんなめんどくさい人間が、ぼくはぼくが好きだから、大好きだ。
なんて、きれいごと。
一方的な、ずるい言葉。
会った時に、ちゃんと目を見て話そっと。
伝える必要なんてないのかもしれないけれど、伝えてほしいだなんて誰も思っていないのかもしれないけれど、もしあっちも目を見てくれるなら、目と目を合わせて話せるのなら、伝えたい。
人間ってめんどくせーー!!
でも大好きだーーー!!