幸せの脅迫状

これを読んでるお前の不幸はたった今おれが預かった。

今後、その身には口にするのもはばかられるほどの幸せしかやってこない。

人に恵まれ、よき出会いがあり、ささやかな幸福を感じるだろう。

1日1日を大切に感じて、しんどいことも、ただしんどいだけじゃないことを知るはずだ。

人のことを考えて、その中でうまくいかないこともあって、つらいなあと思うことはあっても、不幸はさらわれたので、じぶんが不幸だとは思えない。

 

はっはっは。

つらいだろ?

これからは、うまくいかないこともしんどいことも、不幸のせいにはできない。

幸せはいつもお前のそばにいて、襲いかかるその瞬間を待っている。

油断したら最後、幸せに包まれて、ニヤニヤがとまらなくなって、胸がぐわぁって苦しくなって、泣きたくなるくらいの、幸せを感じてしまう。

 

不幸を返して欲しければ、人の不幸を願い、あいさつをやめ、笑顔をなくし、ありがとうを忘れ、他人への好きもじぶんへの好きもぜんぶ捨てなければならない。

 

これらすべての条件を満たさない限り、不幸は返さない。