香ることの美しさ

香りは、ぼくに思い出させてくれる。

どんな音や映像、言葉よりも鮮明に、実感をさせてくれる。

だからたまに、泣きたくなる。

この匂いを、再び感じる日は、もう来ないのかもしれない。

 

香水について調べていたら、面白いものを見つけた。

パフュームオイルファクトリー。

一つ一つの香りに、ささやかな物語が添えられている。

香りに意味が生まれる、それらの物語は、ゆっくりしていて、不安だったりするのだけれど、余韻はとても穏やかだ。

 

毎日の生活を、より華やかに、より心強く。

1日1日の幸せを願い生み出された、
31種類のオリジナルパフュームオイル。
その日の気分やシーンによって、香りをお選びください。

出典:https://perfumeoil.co.jp/

 

ぜんぶの物語をみたわけではないし、香りについてもよくわからない。

ただ、ぼくの目をひいた香りがあった。

 

ほのかに香る、その美しさを。ぼくはいまだに、忘れられずにいる。

 

あたらしいレインコートを買ってから、
ずっと、晴れの日が続いている。
鮮やかな色と、少し細身のシルエットに
一目惚れしてしまったのだ。
ラジオから流れてくる天気予報では、明日も、
明後日も、よく晴れると言っている。
自分の意思では、着れない服もある。
そんな、あたりまえの事実に
私はそっと笑みを浮かべた。

 

出典:https://perfumeoil.co.jp/

 

この香りの名前は、ここでは明かさない。

見つけて。

ロマンチック。