あおたとはかぜと飲んだ話

おととい、ぼくはあおた(仮名)と飲んでいた。渋谷の横丁に行きたくて、その前にバイト先で一杯やっていたのだった。そんなときに連絡をとっていた、同じインターン先の、はかぜ(仮名)を誘ったら、来てくれるというので、ぼくらは三人で飲むことにした。とても大好きなあおたと、とても大切なはかぜは、知り合いですらなかったけれど、どちらも快諾してくれて、そういうところ、すごく好きだなあと思った。ぼくとあおたは慌ててタクシーに乗って、渋谷までいって、彼女と合流した。三人ともワインが好きだったので、ディプント、ワインの酒場にいった。

 

初対面とは思えないほど、二人は打ち解けた。すごいなあとどこか他人事のように思いながら、ぼくは一緒にいて、ぼくとあおたは日本酒2合とビールを飲んだばかりだったというのに、はかぜと三人でワインを二本あけた。彼らが仲良く話しているのをみて、少し不思議な気分になった。どちらにもどちらもの話をしていたけれど、まさか三人で飲むことになる日が来るとは思っていなかった。と同時に、もっと早く誘っていればよかったと強く思った。

ぼくらのお酒を飲むペースはあたおかで、三人ではしゃぎながらコンビニでお酒を買って、タクシーに乗って門限のあるはかぜの家の方へと向かった。ぼくの記憶はそこからおぼろげになるのだけれど、まだ門限まで時間のあるはかぜと三人でふらふらしながら笑いあって、すごく、すごく楽しかったことだけ覚えている。

 

ワインの酒場ではかぜから「ようすけはきちんと言葉で伝えてきて、女の子っぽいよね。いい意味で」と言われて、ぼくはなぜだか泣いてしまった。どう考えても泣くようなことではなくて、ただ、女の子っぽいと言われたのがすごくイヤで、男として見てもらえないのが悔しくて、でももっと受け止め方というか、対応の仕方はあっただろうに、泣いてしまったのがとても申し訳なかった。

はかぜはすごく言葉を尽くしてくれて、だから、ぼくもこわいけれど、言葉を尽くしていいんだと思わせてくれる。ささいなことでも、きちんとじぶんの思っていることを、正直に伝えても、逃げずに向き合ってくれるという確信を持たせてくれて、ぼくはすごくすごく、彼女に対して伝えたいと思ってしまう。

 

とにかく、おとといはめちゃめちゃ楽しかった。あおたとはかぜが会ってとてもよかったと思うし、こうしてぼくの好きな人と好きな人が好きあってくれれば、こんなに幸せなことはない。ただ、二日酔いがしんどすぎて、飲み過ぎにだけは気をつけようと思った。思いながら、今日も14時から赤羽で飲むのか、と気付いて、楽しみでたまらないのと同時に、すでに二日酔いがこわかった。