ゼミの人たちと飲んだ話

おとといは同じゼミの子たちと飲んだのだけれど、ぼくはゼミを後期から休んでいて、少なくない負い目というのを感じていた。けれど彼らは快く誘ってくれて、涙をぬぐいながらぼくは飲み会に参加した。

まず、ぼくが勝手に一番仲良いと思っている同期のみなみ(仮名)と、15時くらいに合流した。彼女はとにかく場を面白くするのが上手で、ふざけるのが得意で、そこに品があって、そういうところがとても好きだった。みなみは冗談のセンスがすごいよくて、彼女の周りは笑いがたえなくて、みなみのいるテーブルだけすごくうるさい。いいなあとか思いながら見ているのだけれど、本当は羨ましがってないで彼女みたいになれたらなと思うことがよくある。金のベルトに黒地の時計は、みなみに似合っていて、とてもきれいだ。人を傷つけないで、場を明るくして、でもていねいさのある笑い。

そんな品のある彼女と合流して、すぐに後輩のあかね(仮名)とも合流した。あかねが友だちの誕生日プレゼントを買いに行くというので、ぼくらは一緒に行くことにした。半ば強引についていったところはあったので、ちょっと申し訳ないなと思ったけれど、あかねは気にしていないようだった。あかねは、なんだか面白い。なにか独特というか、不思議な感じがして、心がぽーんと弾けるような笑い方もとても好きなのだけれど、一緒にいるとなんか面白いなあと思ってしまう。あかねはとても真面目だ。真面目で、学ぶことに熱心で、なんの目的もなく授業を受けている人たちを許せないと感じているようにぼくには見えている。そんな不真面目な人たちなんてどうでもいいし、もったいないなあぐらいしかぼくは感じないのだけれど、あかねのそういった、大きな志というか、強い気持ちはすごく好きだ。

 

ぼくはタピオカが好きなのだけれど、さすがにわざわざ一人で買うほどでもなくて、何かきっかけがないと飲まないので、みなみが「タピオカ飲みたい」と言ってくれたときは、とてもうれしかった。一も二もなくうなずいて、ぼくらは三人でタピオカ屋にいって、タピオカを買って、誰もいないゼミの教室で飲みながら、勉学の話をして過ごした。めちゃめちゃ楽しくて、きっとこれはみなみの品のある笑いのセンスと、あかねの勉学にたいしてのひたむきな姿勢のおかげだなと思った。

 

そのあと、後輩のゆか(仮名)とも会って、四人で串カツ田中に行くことになった。ゆかは歯に衣着せぬ、あけすけな物言いがとても面白くて、すごく好きだ。ブスはブスといい、ありえないと思うことにたいしてはありえんと言う。目の前にいる人にたいしての嫉妬も包み隠さずあらわにするから、逆に嫌味にならない。素直で、思ったままの子なんだなとわかって、一緒にいて楽しい。

飲み会はとても楽しかった。彼女らは、「ようすけさんがいないとゼミが寂しいです」的なことを言ってくれて、ぼくの心は震えた。ありがたいなあ、うれしいなあと思って、「顔だしなよ」と言われたのを本気にして、来週あたりにでもゼミに行こうかなと思った。もちろん、行くわけにはいかないけれど。ただ、すごくうれしかった。ゼミの話をきいていたら、やっぱりちゃんと行って、研究すればよかったかもなあとも思った。もしも許されるのであれば、本当にまた行きたいなあと思った。フルコミットで入るはずのインターン先からは、連絡が絶えていて、ぼくは時間を持て余していた。

途中から後輩のさわこ(仮名)もきて、五人で二軒目にも行って、とても楽しかった。さわこもとっても好きなのだけれど、紹介はまた今度でいいや。

 

ていねいな飲み会だったなと思う。前の日が浴びるように飲んで、ぐしゃぐしゃになっていたから、なおさら。こんな飲みもまた、すごく幸せだなあと思って、ぼくは眠りについた。