優しい気持ちになりたいときにすること
すべてを赦すことのできる、慈愛に溢れた人間になることを夢見たことがあった。
ただ、負の感情を消し去ったり、抑え込むのは難しい。
そんなことよりも、どうその感情と向き合って、付き合っていくのかを考えたほうがいいのかもしれないと気づいてから、少し生きるのが楽になった。気がしている。
負の感情を否定するのはやめたのだけれど、やっぱりプラスの感情になったほうが気持ちいいには決まっていて、だからたまに、意識的に優しい気持ちを呼び起こそうとすることがある。
……というわけではないけれど、今、やってみようと思う。
優しい気持ちになりたい。
そんなときは何をすればいいのだろう。
一度書き上げてから、せっかくならとランキング形式にしてみました。
さっそく一位から紹介したいと思います。
【一位】
冷凍したラップにくるまれた白いご飯を、レンジで2分くらい、中途半端にチンしてみる。
取りだして手に持ってみると、熱い部分と冷たい部分が存在して、なんだかそれがとても不思議で、複雑な気分になる。
そんなとき、ぼくはなんとも言えない感情にとらわれて、なんとなく優しい気持ちになるのだった。
【二位】
空を見上げる。
ぼくは待ち合わせのとき、相手が来ないときとかにいらいらしてくることがあるのだけれど、そんなときは空を見上げるようにしている。
携帯とかを見てると、なんで連絡してこないのかと余計ムカついてしまうし、視界の端にうつる人影をみるたびに、お、来たのかなって思って顔を上げて、でも違くてがっかりして、っていうのを繰り返してしまう。
空はとても美しい。
薄い水色の、広い広い空を見ていると、なんだか自分がちっぽけに感じられて、今いらいらしてることも、悩んでることも、どうでもよくなってくる。
空とじぶんがまじわって、安心するような、優しい気持ちに包まれる。
空を見てるときに相手が来ると、もれなく「なにやってんの?」ときかれる。
優しい気持ちで無視する。
【三位】
宮沢賢治の雨にも負けずを読む。
日照りのときは涙を流し
寒さの夏はおろおろ歩き
皆にでくのぼうと呼ばれ
ほめられもせず 苦にもされず
そういうものに 私はなりたい
わかる。ぼくもなりたい。とか思いながら、彼の優しさに心が震える。
ここからは殿堂入りしたものです。
【殿堂入り】
兄の子どもの写真をみる。
これは説明がいりませんね。
もう最高すぎる。
【殿堂入り】
うちの猫の身体にじぶんの顔をうずめる。
やるとすごい嫌そうな顔をされる。
でも可愛いし、太陽みたいないい匂いするから好きです。
【殿堂入り】
太陽にあたりながら寝る。
ひなたぼっことかもよい。
あの温かさに触れながら横になっていると、じんわりと優しさがつま先まで届いていくような、そんな気がしてくる。
ここからは、番外編です。
【急募】
優しい気持ちになりたいときの音楽。
というのがぼくの中では持ち合わせがなくて、ぜひだれかに紹介してもらいたいものだなあと思う。
【見つけたものには賞金】
優しい気持ちになりたいときの映画。
これは難しいかもしれない。
長いし。優しい気持ちにたどり着く前に、たぶん色んな気持ちになっちゃう。
【友達になってください】
優しい気持ちになりたいときの人。
そんな人間がいるなら一生離したくない。ずっとトモダチ。
【それは冬のおでん】
優しい気持ちになりたいときの食べ物。
寒ければ寒いほどよい。
【捨て猫に傘さすやつ】
優しい気持ちになりたいときのヤンキー。
そのギャップはずるい。