Dineを使って実際に出会った話の続き

Dine(デーティングアプリ)を使って実際に出会った話 - 言葉尽くして、好き隠さず

 

最初にマッチングが成立したのは、アイさんだった。

今まで多くの国に旅行をしたことがあるほか、いわゆるオトバコと言われるようなクラブに通うのが趣味の、都内に住む大学生。

現在は就活中らしい。

アクティブで、好奇心旺盛で、感度の高そうな女性で、色々と面白い話がきけそうだなあと思った。

ちょうどぼくの行きたかった、恵比寿のよなよなビアワークスを候補のお店に挙げていたので、さっそくそのお店でリクエストしたところ、マッチングが成立した。

ここまで、1、2時間くらいだったと思う。

 

マッチングしたら、メッセージのやりとりはなく、すぐに日程候補を送ることになる。

その日程候補から、相手が良いと思った日付があれば、もうデートは成立して、お店の予約に入ることになるのだけれど、ぼくはそれと並行してDine Tonightという機能を使っていた。

これは本日、一緒にレストランに行ける人はいませんか? と募るもので、コインに応じてランダムに誘う人数を増やすことができる。

この、本日一緒にどうですか? に対して、行きたいです、と言う人が現れた場合、その人と行くかどうかをぼくが選んでマッチング成立させることができるのだけれど、ちょうどコインを使って誘った直後に、アイさんが日程調整のところで「本日」を選んだのだった。

日程調整が済むと、改めてお店を選択し(たいていはマッチングしたお店を選ぶことになる)、予約の時間を選んで再び相手に投げる。相手がそのお店と時間を了承すれば、Dine側が勝手に予約してくれて、デートをすることになるのである。

アイさんとは、今日という日付に決まって、お店と時間をぼくが提案した状態で連絡がとれなくなった。2時間くらい待っても連絡が来なくて、時刻は20時半を過ぎようとしていた。

 

そこでぼくはアイさんとのご飯を諦めて、Dine Tonightをみることにした。するとそこには、ぼくのオファーを承認したケイさんがいて、マッチングを成立させてご飯を食べに行くことになった。

Dine Tonightの場合、お店の予約はアプリではできず、メッセージをやりとりして二人で決めることになる。恵比寿ではない場所に決まって、ぼくはそのとある駅にあるお店で良さげなところを二つ知っていたので、提案してみた。

「お腹はすいていますか? すいていたら、和食のお店で〇〇があるんですけれど、いかがでしょうか? お腹がすいてなければ〇〇というバーがおすすめです」

みたいな感じでメッセージを送ったところ、

「和食の気分ですか? お腹はすいています」

ときた。

これはまずい、とぼくは思った。

もし提案した和食のお店でよければ、いいですね、と来るはず。バーでよければ、お腹はすいていないので飲みたいです、とか言ってくる。

つまり、これは和食はちげえよ、なおかつバーもちげえ、違うお店言ってみろ、ってことだ! と解釈したぼくだったが、残念ながらきれるカードはもう残っていなかった。

一度も行ったことない、またはリサーチをしたことのないお店に行くのはどう考えてもリスクが高い。

不慣れな街で、20代後半の女性を連れて行けるようなお店など、ほかには知らなかった。

この時点でぼくはずいぶん詰んでいたのだけれど、そんなタイミングで、最初にマッチング成立していた大学生のアイさんから、よなよなビアワークスの予約の承認は押されずに、

「すみません、メッセージ今見ました、10分後に着きそうです!」

と来た。

 

ここでぼくの詰みは深まった。どっちに転んでもダブルブッキングで終わってしまう。

ただ、順序的に言えば、最初にマッチングしたアイさんと会うべきなのだと思った。しかもあと10分で着くのだという。

ぼくは3分、もんもんと悩んだ結果、ケイさんにメッセージを送った。

「すみません、仕事の都合で急に戻らなければいけなくなってしまいました…。本当にすみません…」

ケイさんはそれに対して、

「通報しますね」

と返した。

 

ドタキャンをしたのだから、運営側への通報は当然だった。

「お願いします…」

とぼくは送る。

申し訳ない気持ちで恵比寿へと向かう電車に乗った。

 

あと10分で彼女は着くのだから、急がなければならない。

恵比寿駅に着いたぼくは、緊張しながらアイさんを待つ。

 

結局アイさんが来たのは30分以上後だった。

ぼくらは、Dineのリストにある、恵比寿の和食のお店に行った。

よなよなビアワークスも行ってみたかったけれど、ぼくはお腹がすいていて、きちんとしたご飯を食べたい気分だった。

お店に入ったぼくらはゆっくりと会話を始めたのだけれど、アイさんは気さくな感じで話しやすく、彼女の興味のあるものはどれも面白かった。

 

 

彼女がtinderを使い、97人もの人に会っている超アウトドア系文化女子だということを知るのは、すこし後の話だ。

(もしかしたら続く)

 

(また3月4日にDineで会うので、3月5日に更新予定。アイさんの話。)