ヤマハはきっと、ヒューメイリアンのはなし


満点の星の空の下。

宇宙からやって来て、人間たちと共に現代で生きている。

宇宙と人間のハーフ、ヒューメイリアン。

⭐︎


彼女と初めて会ったのは、8月の晴れた日。
改札で見て、直感でいい子に違いないと思った。

明るく人懐っこい彼女は、人見知りの"ひ"の文字もなくて、私はちょっと驚いてしまった。

人見知りしながらも、ヤマハ!と頑張って呼んだのを覚えている。

その後、どんどん話すうちに私たちは、
ワインをよく飲んで、お酒と一緒に仲良くなった。

6人で行ったディズニーでも、花より団子ならぬ、パレードよりお酒。
どんだけ飲むの!ってホットワインを両手で飲みながら、けらけら2人で笑ったのも素敵な思い出だ。


彼女と話していく中で、思ったこと。

まず、彼女は本当に聞き上手だ。どの人の話も、きちんと相槌を打ちながら素敵な言葉を返している。

加えて、彼女の笑顔から感じる、混じり気のない綺麗さ。

本当にどこを探しても、こんなに無邪気な子は見つからない気がした。世の中にこんないい子がいるのか、と。

何よりも、彼女の好きなところは
人をちゃんと"見ようとする目"がある。


私はよく、人に馬鹿なことを言って笑いを取ろうとしたり、相手が想像している私のイメージ通りにあえて行動してみるのだけど。

そこで大体の他人(ひと)は思う、私は分かり易くて、単純で、馬鹿っぽい子なんだと。

それでいい。他人からこう思われようと、私は狙って振る舞っているのだから。


でもヤマハはそんな私を頭が良いと言う。私が考えて言葉を選んでいることを知っていた。

頭が良いなんて、そんなことを言った人なんて誰もいないのに。

ヤマハの見る目、言葉が好きになった。


それに比べて私は、相手を本質的にちゃんと見れている?
と、考えながら書いているうちに、ヤマハのことがなんだか分からなくなって。
数学の証明問題を解くような、
Q.E.D.がなかなか書けないあの感覚を思い出していた。

でも分からなくても、それでも良いんだって。
彼女と次に会った時にすぐ思った。

私はまだ、彼女の正面しか見えていないのかもしれないけど、
もっと知りたいと思う時点で、彼女が大好きだから。

私の世界には無かった刺激をくれて、悩みを吹き飛ばしてくれる彼女と、
きっとこれからも共に幸せな時間を過ごすだろう。


大好きなヤマハ、あなたの素敵な言葉をこれからも紡いで、私に聞かせて欲しい。

もちろん、白ワインのボトルを頼むのも忘れずにね。

⭐︎