若いうちにするべき10のことの話(10個とは言ってない)

若いときの苦労は買ってでもしろ、という言葉がある。

 

いくら少子高齢化で年寄りが増えているのだとしても、若者の力や可能性みたいなのを無視することはできなくて、若い人はどう考えているのか、若い人の間では何が流行っているのか、っていうのを、意識して見ている人が多くいるように思う。

街頭インタビューが渋谷などの、若い人たちがたくさんいるような場所で行われることが多いのも、そういった、トレンドには若者が深く関わっているからだろう。

ラインとか、TikTokとか、新しい価値観とか、新しいサービスって、若者を起点として広まっている気がしている。

 

ただ、じゃあ若者だけがすごいのかというと、そうではない。

たしかに炎を燃え上がらせて、だれの目に見ても明らかな大火炎を生み出すのは若者間によるネットワークなのだろうけれど、その最初の火をつけるのはいつだって、大人たちなのだと思う。

 

欅坂46の歌はセンセーショナルで、今の若者の共感を強く獲得するものだけれど、その歌詞を書いているのは歌っている彼女たちではない。

 

大人たちが何をしているかというと、めちゃくちゃ調査をしているのである。若者と会話をして、一緒にいて、今どんな価値観を持っていて、何に悩んでいるのか。

若者の表面をなぞって、彼らの奥深くの心を想像して想像して、その末に、今の若者に受け入れられるようなモノを生み出す。

 

大人と若者の違いは、そこにあるのだと思う。

若者はいとも簡単に、新しいモノを生み出すことができる。体験することすべてが新しく感じられて、その新しさを受けて、また新しい価値観を生む。

大人は、どんな体験をしても、ある一定以上の新しさを感じられない。

いくら新しいモノだったとしても、今までの膨大な経験や知識から、ある程度の予測をした上で当てはめてしまって、きっと、頭をぶん殴られるほどの感動を味わうことがないのだと思う。

 

それは素直さとも呼ぶ。

 

大人になってしまうと、素直さを失う。

まあ、そんな感じね、と、心にダイレクトに来るような衝撃を感じられず、素直に受けとめることができない。

 

だから、若いうちにするべき10のことがあるのなら、それは素直でいることになる。

10分の10、素直でいる。5でも8でもダメで、10割、素直でいないといけないとぼくは思う。

 

素直って、食わず嫌いしないこと。

これは嫌いとか、これは苦手とか決めつけないで、とりあえずやってみる。

とりあえず話してみる。意外といい人かもしれない。

とりあえず行ってみる。つまんなかった、ってのも、行かなきゃわかんなかった。

とりあえず食べてみる。去年は食べられなかったのに、今は食べられるわ、とかたまにある。

一回ダメだったからっていって、今ダメとは限らない。

だからぼくは、チャンスがあれば必ずYESと言う。

 

10年後にやればいいやって、ちょっともったいない。

今やるからこそ意味があるのだと思う。

今だからこそ、感じられることがある。

 

それは昔読んだ本や、映画を、今みかえすとよくわかるはずだ。

あの時感じたことと、今感じること。

すごく違うことがあって、すごく面白い。

嫌いだった本も、大好きだった映画も、今みると、また違った味がして、やっぱり、今やることの大切さを強く感じた。

 

素直になる。

それは他人に対してではない。

たしかに他人のアドバイスを否定せず、YESと言っていくのもまた大事だけれど、一番大切なのはじぶんの心。

じぶんの心に素直になる。

 

それだけで、いいのだと思う。